ちょっと気になる木の話

第4回 木材による色の違い

木材は種類によって塗装したときに同じ色でも色合いが変わります。
そこで今回は木材の種類によってどのくらい色に違いが生じるのかを特集いたします。
ノンロットの仕上がりのご参考にご覧ください。

(※写真と実際のでは色の違いがあるのでご了承ください。)


今回、使用しました材料は左から米松、ホワイトウッド、檜、杉です(図1)。
木材は大別すると広葉樹と針葉樹に分かれますが、今回は針葉樹を用意いたしました。

広葉樹は比較的、木材自体が硬く、重いのが特徴です。耐朽性が高いものが多いため初回の塗装では木材保護塗料の吸い込みが少なく着色がしにくい場合があります。
特に南洋系のハードウッドでは色がつかず、防腐、防カビ等の効果も限定的な木材もあります。

対して針葉樹は木材自体が柔らかく初回の塗装でも広葉樹と比較すると塗料が浸透しやすい木材になります。

※浸透度合いは使用する部材によっても大きく影響があります。

今回、使用しました米松材は樹脂分が多く木目が真っ直ぐに細かく入っているのが特徴です。
北米材で最も輸入が多く赤松の代替とされております。
適度に堅さや重さがあり樹脂分が多いため塗料が浸透しにくいのですが、もともと持っている耐朽性が高い木材です。
ウッドデッキ、建具、ログハウスなどに使用されています(図2)。

図1 使用材料

図2 使用材料

ホワイトウッドは全体に白から淡い黄色みを帯びているのが特徴です。杉や檜と比べると耐朽性に劣りますがホームセンターなどでもよく流通しており、柔らかいため一般の方でも加工がしやすい木材です。
主に内装材に使用されていますが、木材保護塗料と併せて外装材として使われるケースもあります。
海外ではギターやバイオリンの表板としても使われています(図3)。

広杉の特徴は木目がしっかり確認でき柔軟で軽く加工性に優れている木材です。また芳香性があるのも特徴です。
日本特有の木材で、遥か昔から日本の暮らしに多く使われてきました。主に構造材、家具、彫刻、割りばし、下駄などに利用されており、日本の文化を支えてきた木材です(図4)。

図3 使用材料

図4 使用材料

今檜は耐朽性の高い木材で特有の香りを放ちます。
また表面を仕上げますと美しい光沢がでるのが特徴です。
耐朽性が非常に高いため、大昔より神社、仏閣などに使用されてきました。伊勢神宮や1300年前に建築された法隆寺などは檜材が使用されており現在でも維持されています。
檜特有の香りを活かした檜風呂や檜酒などが有名ですが構造材やキッチン用品などにも使用されています(図5)。

上記、4種類の木材に対してノンロット205Nを塗装します。
色は以下の通りです。左からクリアーⅡ、ライトオーク、レモンイエロー、ダークブラウン、ライトグレー、マホガニーレッドの6色です(図6)。これらを各材に塗装してノンロットが木材によってどのくらい色合いに変化があるのか確認してみましょう。

図5 使用材料

図6 使用材料

図7 クリアーⅡの色比較

1. クリアーⅡ(透明タイプ)

クリアーⅡは木の素材感や木肌がそのまま活かせることがわかります(図7)。
木材自体が持っている色をしっかり出すことができます。
各材木ごとに少し濡れ色になっているのが確認できますが素材感を損なわず無垢材本来の質感が楽しめます。

図8 ライトオークの色比較

2. ライトオーク

ライトオークは明るめの色になります(図8)。
色を付けながらも木目をしっかり活かすことができます。
ホワイトウッドは素材自体の色が明るいため、ライトオークの色合いも少し明るくみえるのが確認できます。
天然の木材では杉の心材やサクラ、マホガニーの色に近い色合いです。

図9 レモンイエローの色比較

3. レモンイエロー

レモンイエローは特に素材色によって色味に変化がでやすい色になります(図9)。
米松は素材自体が赤色をしているため、レモンイエローの色も本来の色よりトーンが落ちたイメージになります。
またホワイトウッドはライトオーク同様に木材自体が白いためにレモンイエロー本来の色がより明るく発色しているのが確認できます。

図10 ダークブラウンの色比較

4. ダークブラウン

ダークブラウンはノンロットの銘柄の中で濃い目の色になります(図10)。
濃色系は明色系と比較して影響を受けにくくダークブラウンの色をつけることができます。
そのため、灰色化した木材にも色がつけやすいことから、塗り替え時に濃いブラウン系の色が選ばれる場合があります。
天然の木材ではコクタンを連想させる色に近い仕上がりが確認できます。
このような濃色系でもノンロットは木目を消すことなく美しい木目を生かすことができます。

図11 ライトグレーの色比較

5. ライトグレー

ライトグレーは木材の木目がより際立つ色になります(図11)。
特に杉や檜などの木目を生かしたいというご要望に有効な色です。
特に広い面積を塗布した場合では、無垢材をクールモダンとも調和させる美しい仕上がりとなります。米松の場合は素材の赤を拾ってしまいライトグレー色とは少し違う色味に変わってしまうことが確認できます。木材が劣化することによって灰色化してしまうため新築時と劣化時の色に変化が目立ちにくいという副次的な効果もあります。
欧州では「イングリッシュガーデン」というスタイルが流行です。それはあえて木材を劣化させ「いい味が出た」という表現でシルバーグレー色が親しまれています。

図12 マホガニーレッドの色比較

6. マホガニーレッド

マホガニーレッドは通常の木材のイメージとは異なる色合いです(図12)。
天然で赤色を帯びた木材というとカリンやパオロサがありますが、より赤みが強い仕上がりです。
やはり、もともとの木目がしっかり出ていることがわかります。
ライトオークなどの明るい色と比較しても木材の影響が少なく赤色がしっかり出ているのが確認できます。
以上4種類の木材に対して塗装した仕上がりをみていただきました。


実際の塗装物件写真も合わせてご参考にご覧ください。


最後までご覧いただきありがとうございました。

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